【スグルのリアル体験 2 】 〜 「人の役に立て」
- 2025/01/02
自分が生まれてきた意味はなんだろう?って、あなたは考えたことがありますか?
俺は今でも考える。 でも、その答えを教えてくれたのは・・ 父ちゃんだった。
母ちゃんが死んだとき、父ちゃんは泣きながら俺に言った。 「俺がお前を守る」
それから父ちゃんは男手ひとつで俺を育ててくれた。
呑めない酒を無理して呑んで、時には朝帰り。 疲れた顔で笑いながら「これもお前のためだ」と言う。
再婚もせず、ひたすら俺のためだけに働いた。
19年間、その日暮らしの生活。 お金がなくて、水道や電気が止められることもあった。
暗い部屋の隅っこで、父ちゃんと350mlのコーラを分け合い、ポテチ1袋を夕飯代わりに食べた夜もあった。
近所の知り合いの家を転々とご飯をもらいに行ったことも、今では懐かしい思い出だ。
でも、不思議と父ちゃんを恨んだことは一度もなかった。
団地の狭い薄汚れた、
ド貧乏の部屋の生活だったけど、そこには確かに温かい愛情があった。 父ちゃんは不器用で、
愛の言葉は無かったが、態度では隠さなかった。 それが俺にはちゃんと伝わっていた。
俺たちはよく口喧嘩もしたど、一緒にチョコを食べたり、父ちゃんが好きだったギャンブル場に遊びに行ったりもした。
そんな父ちゃんが、俺は大好きだった。
そんな父ちゃんが、俺が25歳の春に死んだ。 肝臓癌だった。
病室のベッドで父ちゃんは、もう弱々しい声で言った。 「貧乏でも 人の役に立て」
その言葉を聞いた瞬間、俺は泣き崩れた。 母ちゃんを失ったときの父ちゃんの涙を思い出した。
今度は俺が一人ぼっちになった。
父ちゃんが死んだ後、俺は無意識に「死にたい」と口にしていた。
最愛の両親を失い、生きる力の源だった愛情が消えていった。
俺には何も残らないと思った。
でも、ある日ふと思い出したんだ。
父ちゃんの口癖を!
「貧乏でも 人の役に立て。」
父ちゃんの人生は決して長くはなかったけれど、誰よりも深く人を愛し、誰よりも俺のために生きてくれた。
信頼・・・愛してくれる人がいる。 そして信頼・・・愛する人がいる。 そんな人生は素晴らしい。
寿命の長さじゃない。 何をして生きるかが大事だと、父ちゃんは教えてくれた。
だから、俺は決めたんだ。 父ちゃんが託した夢を叶えようって。
多くの人の役に立つ人間になりたい。 父ちゃんが生きたように、俺も生きてみたい。
どんなに貧しくても、愛を忘れずに生きていきたい。
父ちゃん、俺はちゃんとやるよ。 父ちゃんの教えてくれた「夢」を俺は必ず形にする。
今までも、そしてこれからも。 俺の中で、父ちゃんはずっと生きている。
これからも応援してくれ 父ちゃん!