【スグルのリアル体験 3 】〜 「俺がいるよ」
- 2025/01/03
人生には、数えきれないほどの出会いがある。
その中で「彼ら」と出会えたことは、奇跡に近いのかもしれない。
俺には、そんな奇跡のような親友が2人いる。
小学校低学年のときに出会った「修一」と「輝真」だ。
修一は7人兄弟の末っ子で、お母さん一人に育てられた子だった。
輝真は3人兄弟の末っ子で、お父さん一人に育てられた子だった。
どちらも厳しい家庭環境で育ちながら、いつも明るく、誰よりも優しい奴らだった。
放課後になると、3人でお互いの家を行き来して遊んだ。
くだらないことで笑い合ったり、好きな女の子の話をしたり。
夜になるのが惜しいくらい、時間を忘れて夢中になっていた。そんな毎日が、ずっと続くと思っていた。
中学、高校と進むにつれて3人は別々の学校に進学した。
それでも、変わらなかった。休日には集まって、馬鹿みたいな話をしては笑い、また会える日を楽しみにして別れた。
こんな楽しい日々が永遠に
続くものだと、どこかで信じていた。
でも、人生はそんな甘いものじゃなかった。
ある日、輝真のお父さんが神社で刺されて死んだという知らせが届いた。
信じられない思いで胸がいっぱいになった。怒り、悲しみ、どうしようもない虚無感が、胸の中に渦巻いた。
学校が終わると同時に、俺は走って輝真の家に向かった。
玄関を開けると、輝真がいた。
何も言えなかった。ただ涙が溢れた。
輝真も、何も言わずに泣いていた。
あのとき、俺は何もしてやれなかった。
ただ、そばにいることしかできなかった。
だけど、それしかできなくても、俺はその場を離れることができなかった。
その後も、人生の試練はやってきた。
俺の親父が死んだ。
静かな病室で、修一がずっとそばにいてくれた。
親父が息を引き取るまで、修一は俺の肩に手を置いて、何も言わず、ただそこにいてくれた。
どれだけ救われたか、言葉では到底表せない。
人生が辛いとき、人はどうしても独りだと思い込んでしまう。
でも、あのときの修一の存在は、俺を独りにさせなかった。
悲しみや絶望に押し潰されそうになりながらも、
友達がそばにいるだけで、ほんの少しだけ息ができるような気がした。
思い返してみれば、俺たちは子どもながらに、お互いの痛みを共有し、支え合っていたんだと思う。
言葉なんかなくても、ただ一緒にいるだけで救われていた。
大人になった今は、あのときの出会いがどれほど特別なものだったかがよく分かる。
人と人が出会うのは偶然じゃない。何かしらの意味があって、運命に引き寄せられるものなんだと思う。
修一と輝真に出会えたことで、俺はどれだけ人生の苦しさを乗り越えられただろうか。
愛や友情は、簡単には言葉にできない。でもそれは、俺たちが生きていくための原動力そのものだ。
友達がいてくれるから、俺たちは何度でも立ち上がれる。そして、その絆は一生俺の心に刻まれ続けるだろう。
修一、輝真。本当にありがとう。お前たちがいてくれて、俺は生きてこれた。
もしあの頃お前たちがいなかったら、俺はきっと今の俺じゃなかった。
お前たちは、俺の人生そのものだよ!