【スグルのリアル体験 4 】 〜 「団地の絆」

俺は母を失い、寂しかった。

そんな中、近所の人たちには助けられた。

その記憶は今も鮮明だ。

家に帰っても、食べるものもなかった俺を、

3軒の近所の人が次々に食卓に招き入れてくれた。

裕福な家庭ではないどころか皆、自分達の生活でいっぱい いっぱいの暮らしぶり。

それでも、俺に「遠慮しないで食べなさい」と笑ってくれた。温かいご飯と優しい言葉が、俺を救ってくれたんだ。

運動会の日、2軒の家が偶然、俺のためにお弁当を作ってくれていたこともあった。

どちらの家庭も自分たちで精一杯のはずなのに、俺を気遣ってくれた。

その心の温かさが、子どもだった俺にどれほど嬉しく、どれほど心強かったか。

その日のことは、今でも忘れられない。

そんな中で特に心に残るのが、その中の一軒に住んでいた「ねえちゃん」だ。

ねえちゃんは俺とよく遊んでくれる優しい人だった。どんなときでも笑顔で、俺の孤独を包み込むように接してくれた。

その存在が、俺にとってどれだけ救いだったか計り知れない。

でも、そのねえちゃんが突然、病気で死んでしまった。

まだ子どもだった俺には、

その現実があまりにも衝撃で、何もできない自分が悔しくて、ただ泣くことしかできなかった。

親を失ったときも、ねえちゃんを失ったときも、俺はただ無力で立ち尽くすしかなかった。

心の中にぽっかりと穴が空いた

でも、ねえちゃんの優しさや愛は、俺の中に強く残った。その愛が、「人としてどう生きるか」を考えさせてくれたんだ。

 

俺にとって、ねえちゃんがくれた温かさがどれほど大きかったか。それを今も、忘れることができない!

だから、ねえちゃんには感謝しかない。

俺を救ってくれたあの温もり、あの笑顔。それが俺の中で生き続けている。

ねえちゃんの死は悲しかったけれど、その愛が、俺の生きる力になっている。

どんなに辛いときでも、どんなに迷うときでも、人へ愛を持って接するように俺を導いてくれる気がするんだ。

 

ねえちゃん、いつか俺もそっちに逝ったら、必ずお土産を持っていくよ。

今はまだ無力で未熟だけど、少しずつねえちゃんに胸を張れるような人生を歩んでいくつもりだ。だから、もう少し待っててほしい。

俺を見守ってくれた大好きなねえちゃん、ありがとう。本当にありがとう!