【スグルのリアル体験50】 〜新たな学校、新たな出会い〜
- 2025/08/21

校長先生から告げられた次の赴任先はーー
この街の一番南にある〝小学校〟!
完璧に俺の予想を覆された。
頭の中は中学校のイメージでいっぱいだったから、思わず口をついて出た。
「その小学校に、私は何をしに行くんですか?」
(おいおい、俺は〝用務員〟だろ? 自分の仕事、忘れるなよ…)
校長先生は笑って言った。
「小中学校の交流が始まるんだ。小学校の先生たちに、児童指導のコツを少し教えてほしい」
ーーなるほど。やはり、次の学校でも〝ミッション〟があるわけだ。
だが、正直ちょっと不安だった。
小学校を離れて、もう10年近くになる。
小学校と中学校では、子どもたちの対応もまったく違う。
俺に、またうまくやれるんだろうか…。
(いやいや、まずは〝用務員〟の本業をしっかりやらねばな)
ーーー
そして、新しい小学校へ赴任した。
街の最南端にあり、まわりはのどかな風景が広がっている。久しぶりの小学校の空気。
校舎はかなり古く、ところどころ傷んでいる。「修理も多そうだな」
心の中で、少しホッとした。まずは本業に専念できそうだ。
そこへ校長先生が用務員室にやってきた。
「スグル先生の話は聞いているよ。大変だと思うけど、よろしくお願いします」
(ん? 俺の話…誰から聞いたんだ? まぁ…いいか)
「はい! 校舎も古いですし、児童や先生たちが安全に過ごせるよう、しっかり頑張ります!」
「早速だけど、明日のお昼に校長室へ来てください」
ーーー
翌日、校長室に呼ばれた。
校長先生は、ポツリポツリと語り出した。
この学校で過去に起きた、つらい出来事。
居たたまれない児童の事故。職員による不祥事。
そして、今の学校の状況ーー
俺は、思った。
「見た目はのどかで優しい空気の学校。でも、きっと大変な学校に来たんだな…」
先生の顔も、柔らかい笑顔の裏に、どこか疲れがにじんで見えた。
「よし。俺にできることは、まずこの学校を〝安全な場所〟にすることだ」
心にそう誓った。
ーーー
そして、その日の午後。
新しく赴任する8名の先生たちとの初顔合わせが行われた。
会場に入り、先生たちの顔を見回したその瞬間ーー
俺は、目を疑った。