【スグルのリアル体験61】〜 予期せぬ別れ 〜
- 2025/11/06

この小学校に来て 4年が過ぎた
6月のある日 仕事を終え 帰りの 支度をしていると・・
教務主任の ″安永先生〟が やって来た
彼とは 一緒にこの小学校に来た!
一緒にやってきた 親友でもある
数日前・・・
放課後 割れた 窓のガラスを入れ 校長室の前を通りかかった
校長室から ″手招き〟
「スグル先生 ちょっといいかなぁ?」と校長先生
「安永先生のことだが・・」
「はい。何かありましたか?」
「教頭試験を受けるように、説得してくれないか?」
(教頭になる試験を受けるのを拒否していた!だが、私も 彼に教頭になって欲しい)
「分かりました!話してみます」
「頼むよ!」
そして・・
タイミングよく ″安永先生〟が来た!
「スグル先生 話があるんだけど」
「俺も 話があるんだよ」
「じゃあ スグル先生から、どうぞ!」
そして 俺が 話し始めた
安永先生に 教頭試験を受けるように ″私なりの熱意〟で話す
「スグル先生 ありがとう!」
「僕は 来年 仕事を辞めようと思う」
「えっ!いま何て言いました?」
「昨年から 考えていたんだ」
「まだ 定年まで 何年もあるじゃないですか?」
「自分の引き際は 分かっているんだ」
「そんな・・・」
(安永先生は、児童や保護者・校長・教頭先生からも 厚い信頼がある伝説の教師)
「今まで 学校や児童のために 一緒に力を合わせてやって 来たじゃないですか!」
「こ、これからも・・」
「ごめん、もう決めたことなんだ」
俺の頭の中は ″もう決めたことなんだ〟と言う言葉の 余韻が残ったまま
薄暗く光る 床の上に ぼう然と立っていた
その5年後・・俺自身も 学校を辞めることになるとは 知る由もなかった・・

