【スグルのリアル体験 21 】〜 信念を貫く勇気

その日の会議は、普段の険悪な雰囲気とは少し違った緊張感に包まれていた。

教頭先生が席に着くと、全員の視線が自然と彼に集まる。

 

普段は校長と対立する職員の意見を調整する役割に徹していた教頭先生が、

今日は何かを話そうとしていることが明らかだった。

 

教頭先生は一度深呼吸をすると、静かに立ち上がった。そして、言葉を選びながら話し始めた。

 

「正直に申し上げます。私はこれまで、この学校を良くするために何ができるかを考え続けてきました。

しかし、現状では、皆さんが対立し、ストレスを抱え、

そして何よりも子どもたちに悪影響を与えていることに心を痛めています。」

部屋は静まり返り、教頭先生の声だけが響いた。

 

「私は、この学校を支える立場として、そして教育現場を守る一員として、自分の思いを隠すべきではないと考えました。

今日ここで、皆さんにお願いがあります。感情的な対立を超え、お互いに理解し合う努力をしていただけないでしょうか。」

 

教頭先生は続けて、自分がどれほど板挟みになり、ストレスを抱えてきたかも打ち明けた。

そして、最後にこう締めくくった。

 

「学校を辞める覚悟で、自分の信念を貫きます。この学校の未来のために、

まず私たち大人が変わらなければならないのです。」

 

その瞬間、会議室の空気が変わった。校長先生も、対立する職員たちも、

その言葉の重みを受け止めたのが何人かの職員が小さくうなずき、静かに話す職員たちもいた。

 

俺はその様子を見ながら、教頭先生の決意と、自分が果たすべき役割の重要性を再確認した。

教頭先生が勇気を持って声を上げたことで、職員たちの間に少しずつ信頼と理解の糸口が生まれているように見えた。

 

この日を境に、学校の雰囲気が少しずつ変わり始めた。

全てが解決したわけではないが、対話の大切さと、それを実現する勇気があることを知ったのだ。

 

俺も、自分の立場からできることを一つずつやっていこうと心に誓った。

この学校を、子どもたちが笑顔で過ごせる場所にするために。